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2009年4月 4日 (土)

暴走する国家 恐慌化する世界

所謂陰謀論の類は、諸悪の根源を特定の人物や集団に帰するきらいがあるため、あまり信じ過ぎないようにはしている。解り易いから便利なんだけどね。それで世界が見えた気にさせてくれるんだけど、その解り易さってのもちょっと危険ではあるなと思う。

外務省を起訴休職中という良く分からない状態の佐藤優と、なんでも評論家の副島隆彦のこの対談本は、ユダヤの飽くなき欲望と、大国の権力闘争をシェイクし、陰謀論テイストに仕上げた極上のカクテルってとこか(笑)。度数やや高し、しかし後味に左翼臭が残る不思議な味わいだ(笑)。

暴走する国家 恐慌化する世界―迫り来る新統制経済体制(ネオ・コーポラティズム)の罠 暴走する国家 恐慌化する世界―迫り来る新統制経済体制(ネオ・コーポラティズム)の罠

著者:副島 隆彦,佐藤 優
販売元:日本文芸社
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現在の金融恐慌によって国家の暴走がはじまり、世界は新統制経済体制に入ると予測する。アメリカの地位は凋落し、ロシアや中国といった大国が、新たな覇権を構築するべく暗闘する。

大雑把に要約するとこんな内容。

読んでいて特に「トンデモ」な発言はなかったが、やはり世界経済に決定的な力を及ぼしているのはユダヤ資本であり、つまりロックフェラー一族ってわけなのだね。これは大抵の陰謀論に共通している。金があるってことは力があるって事だというのは、誰もが認めるところでしょう。となると、そういう眼で見ないでくれっていうほうが無理だわな(笑)。

世界を読み解くカギ=ユダヤ・ロビー

「ユダヤ・ロビーを無視して国際情勢は認識できない。」(副島)

そのユダヤ・ロビーには3つの勢力があると指摘。

1)イスラエルが国家として生き残る事を第一に考えるシオニスト

2)勢力的に一番多いグローバリスト(世界市民主義者)

3)日常的には反ユダヤ的な言動を取りながら、急に正体を現す連中

「ユダヤ・ロビーを私が見るところ、あれが秘密結社などのように強いものだったらほんとうは怖くないのです。実は大学のボート部や応援団のようなOB会や体育会系のようなネットワークなのです。それが、ときどき不思議な力を発揮するのです。」(佐藤)

秘密結社のように強ければ怖くないって意味が分からんが。

歴史的に嫌われ者で流浪の民だったユダヤにとって、所有していられる物といったら、知識と情報くらいしかなかったということにも原因があるのではないか。しかも、移住した先でも、現地の住民に白い眼で見られる仕事にしか従事できなかったのではないか。金貸し業とか。そして金融というシステムを作る。結局一番強いのは、システムを作った側の人間ってことだ。

「イスラエル国の外交官や学者たちは、あくまでナショナリスト(愛国者)であり、゛我が愛する大地"がある。ところが、ニューヨークのグローバリスト(地球支配主義者)たちには「自分が守るべき祖国や愛国心」はない。帝国の人間たちは世界中どこでも自由に行けますから、「我が愛する大地や民族」という観念が薄いのです。グローバリストは地球支配主義者ですから、世界中を均質にして、今のアメリカとまったく同じような国にしたいのです。」(副島)

「我が愛する大地や民族という観念」が薄い方が、地球民族主義、所謂人類皆兄弟的博愛主義に到るかのように思ってしまうが、実際のところ、そんな人間ってただのデラシネというか、流浪の民って奴なんじゃないのかね。そんな気がしてきたな。

やっぱり眉唾だよなぁ、人類皆兄弟なんて。個々人の小さな範囲での付き合いならば、それを実感できる瞬間もあるのかもしれないけど、人類という大きな範囲の話になると、利害の対立が必ず発生するし、我が祖国、郷土という人間の不条理な感情を抜きにして世界を見ることは俺には無理だな。

それから、俺は今までイルミナティだのフリーメーソンだのという、陰謀論にはつきものの連中についての本は読まないようにしてきたのだが、この本でその一端を知ることができた。

なんで読まないかっていうと、なんとなく大田龍あたりの書いているものって、一時期流行ったノストラダムス本に近い臭いがするんだよね(笑)。金払ってまで読む気にならん。

で、ここで副島氏が言うには、フリーメーソン、イルミナティはキリスト教の平信徒のような存在なのだそうだ。

◇「第2章   秘密結社の実像―西欧を動かす民族思想と宗教」より

『日本語では「啓明会」とも訳します。イルミネーション、光の啓明というところからきています。コンスピラシー・セオリー(共同謀議理論)からすればおどろおどろしい悪魔主義の秘密の集会や結社ということになる。しかし、フリーメーソン、イルミナティというのはそういう集団ではありません。教会から嫌われているけれども、ラチオ(商業利潤)を崇拝する人たちです。』

副島氏は、陰謀論という言葉を使わずに、共同謀議と言っている。俺もこの方が世界の全体を見渡すには適した言葉だと思う。特定の人物や組織が全てを思うままに動かしているとしたら非常に解り易いが、実際には様々な要因と集団間の思惑が絡み合って、その影響が外に現れていると言うところじゃないのかと思う。

それと、こんなおもしろい発言が。

「もっと露骨に言えば、日本の創価学会と日蓮正宗との関係のようなものです。日蓮正宗の本山の大石寺のなかに法華講という平信徒の自主的団体があって、創価学会の池田名誉会長はその全体の講頭だった人です。」(副島)

だとしたら相当解り易いな(笑)。やはり金がありすぎる集団というのは、陰謀論の餌食になりやすいってことだな。

この本ではロシアについてもけっこう触れているが、そこは端折る。

佐藤優はロシア問題の専門家で、副島隆彦は何でも屋だが、主にユダヤウォッチャー(学会ウォッチャーじゃないよ)かな(笑)。そのせいか、その他のプレイヤーが過小評価されがちな気がする。

いちいち抜書きしていたらきりがないくらいの情報量だが、ひとつ副島氏の鬱陶しいところは、民主党による政権交代を望んでいるところだな。俺はあの連中に懐疑的でしてね。小沢を買かぶりすぎてやしないか?薄ら寒いこと言わないでほしいわ。

最後に日銀の実態について。

◇ 「第3章 ロシアの野望と裏で操る2大勢力」より

『日銀が輪転機を回し、お札を発行します。(中略)日銀は民間銀行であるふりをして国債を引き受けて、お金を渡すわけです。それが破錠していく銀行群の救済に使われます。こういう仕組みでできている。こちらも国家機関、あちらも国家機関となると債権と債務が「混同」という法理論で消滅する。

債務者と債権者の地位が混ざると相殺され、債権が消えるのです。(中略)民間銀行である中央銀行という機能はそれを阻止するための理屈です。赤字国債という国家の借金を、自分で自分に貸し付けてつくっているのだからやってはいけないことです。国の紙幣によるクレジット・クリエーション(信用創造)が悪用されて、歯止めを失って国家が無限に大借金を抱えるようになっている。これが今の日米の迫り来る大破錠の原因になっていると思います。』

森木亮とか藤井厳喜は、すでに日本は破産しているといっている。赤字国債を刷って、借金で借金を返す自転車操業なんだと。

いったいどうなるのか。

 

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