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2010年7月 8日 (木)

ヴィヨンの妻

 ヴィヨンの妻

表題作は映画にもなった作品。

これを映画化しようとは。

34項程度の短編で、これといった展開もない作品なのに。

まだ見てないけど、難しいんじゃないかと。

収録作品は、どれも陰気だ。

太宰はいつものことなのだが。

熱烈な太宰好きから云わせれば、それはおまえの読み方が浅いんだよ、ってことかもしれませんが。

 △

『親友交歓』:題が皮肉になっている。はなはだ迷惑な郷里の級友が、“私”を訪問してくるのだが、まぁ、いかにも居るなこういう奴!って具合に質が悪い。

文学で身を立てた級友への嫉妬から、逆に自分の自慢をしまくるってやつ。

自慢しまくってるにもかかわらず、なぜか奢らせるし、たかるのである。

特定アジアの野朗みてえなやつだ。

『おさん』:女房子供を顧みず、革命だのなんだのとほざきながらも、最後は情婦と諏訪湖で心中した亭主に対して、妻の感じたことが好い。

 革命は、ひとが楽に生きるために行うものです。悲壮な顔の革命家を、私は信用いたしません。夫はどうしてその女のひとを、もっと公然とたのしく愛して、妻の私までたのしくなるように愛してやる事が出来なかったのでしょう。地獄の思いの恋などは、ご当人の苦しさも格別でしょうが、だいいち、はためいわくです。

 気の持ち方を、軽くくるりと変えるのが真の革命で、それさえ出来たら、何のむずかしい問題もない筈です。自分の妻に対する気持ち一つ変える事が出来ず、革命の十字架もすさまじいと、三人の子供を連れて、夫の死骸を引取りに諏訪へ行く汽車の中で、悲しみとか怒りとかいう思いよりも、呆れかえった馬鹿々々しさに身悶えしました。(p141~142)

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