アメリカンショック
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『アメリカン・ショック 』,岡崎 久彦・古森 義久;共著,ビジネス社,2002 読後感:☆ |
これはまだ、ブッシュ政権当時の米国の話であるが、米国を語る上で気をつけるべき点を、元駐米公使、岡崎氏がこう指摘している。
◆「アメリカ」という主語でアメリカを語る者はインチキだ―岡崎
「アメリカは」という主語を使ってアメリカを論じる者がいますが、そういう連中は全部インチキ野朗ですよ。アメリカなるものはないのですから。アメリカには、ホワイトハウスがあって、国務省があって、国防総省があって、議会があって、マスコミがあって、世論があってしかもそれぞれの中で、意見がそれぞれ違って、お互いにいろいろな議論を戦わせて、チェック・アンド・バランスの下で政策が出てくるわけです。
それなのに「アメリカはこうに違いない」という者がいたら、「アメリカの誰」と聞いてみればすぐわかります。たしかにアメリカには「憲法九条を改正しないでいい」という人はリベラルの中に若干いるでしょう。しかし、その人の名前をいえればいいほうです。(p214~215,第3章 アメリカは日本に期待する,)
たとえば、最近、そのような話としてよく出てくるのが「アメリカは、本当は台湾を守る気はない」というものですが、やはり「そのアメリカとは誰だ」と聞き返すと、だいたい答えが返ってこないですよ。もし「スタンレー・ロスだ」というなら、それはそれでいい線をいっている。しかし、そのときには「スタンレー・ロスならそうかもしれない。では、ウォルフォウィッツはどうだ」と聞いたら、もう相手は何もいえないでしょう。(p215,同)
これは米国に限らず、どの国にも云えることだろう。国家は、その内部にさまざまな勢力を有しているものであり、どの勢力が優位に立つかで政治が変わる。
ただし、世界標準から云えばどこの国であれ、国防意識は右翼・左翼を問わず、祖国のために戦うのは当たり前という“当たり前”の感覚を持っている。
この当たり前の感覚を持たないのは、世界広しといえど日本の腐臭漂う薄らバカ腐れ左翼の蛆虫どもくらいであろう。
口を開けば国境のない世界だの、地球民族主義だの、阿呆か。この手の連中は、国家なき世界がどのようなものになるか、想像できているのか。
いったい、世界市民とはなんぞや?。世界市民として生きるってのは、どういうことをいうのだ。
何者にも縛られることのない、完全なる自由な個人とでも定義するのかね。だとしら、秩序はどうやって保つのか。秩序がなくても生きられるというのか。
つまり支那人化しろと?(失笑)
◆ボーダレス時代でも国家という単位は崩れない―古森
パレスチナ民族の問題も主権国家の重要性を証明しています。パレスチナ民族は自分たち独自の独立国家を望んでいます。国際社会でもパレスチナ国家の創設に賛成というのが大多数です。日本でも日ごろ「国家権力に反対」などという反国家ふうの主張を叫ぶ左翼の知識人たちも、ことパレスチナ問題となると、みな主権国家の設立を求めるのだから、ふしぎですね。(p263,Epilogue 滅びる国家と生き残る国家,)
結局のところ、自称平和主義者を気取ってるプロ市民どもは、
(1)資本主義を憎悪しているだけ。
(2)その資本主義の権化のような米国が気に入らない。
(3)米国はイスラエルを支援している。
(4)イスラエルはパレスチナを攻撃している。
(5)イスラエル=米国によるパレスチナ虐め。
したがって、パレスチナは正しい。
これだけだろ、これ以上の上等な思想と道理に則して、パレスチナ擁護をしているようにはみえん。
それはともかく、本書でも触れられているがミンス党政権の米国というのは、親中路線が露骨になるのだな。クリントンの時にも、日本に寄らずに支那を訪問するというまねをしてくれた。
いま、支那が強気にでているのも、米国がミンス政権下にあるためかもしれない。
日本の国益を考える上で、最大の懸念は支那というゴロツキをどう扱うかであろう。前途多難である。支那人ってのは敵ながら天晴れな外交手腕を見せる。
世界中に、支那のカネで汚染された政治家や官僚どもがいるに違いない。
もちろん、軍事力という力の裏付けがあるからこそ、汚い手をつかっていても、批判に動じることなく超然としていられるのだろうが、稼いだカネを有効に使えない日本の政治は、本当に情けない話である。
◆チャイナ・スクールの存在は世界共通の問題―岡崎
私は、どの国でもチャイナ・スクール(親中派の外務官僚)というのは、今後世界中が中国を相手にしなければいけないときに最大の問題になってくると思うのです。(p134,第2章 アジアの問題国家対策,)として、
日本においては、 “重要なのはチャイナ・スクールの人が中国政策の政策決定過程に入らないようにすることです。”(p134,同)
“チャイナ・スクールの人は本人のためにもアジア局長にしなければいい。そうすると、中国に対する政策決定過程には入らない。アジア局長にはまったくチャイナ・スクールと関係がない人を就ければいいのです。(p134~135,同)
と、述べている。
これができるだろうか。いまとなっては、人事までも支那の手中に握られている気がしてならないのだが。
本書は、ブッシュ倅の一期目の時にでたものであるが、知日派のいる保守政権下の米国と、どれだけ同盟を強化できるかに日本の命運がかかっていると指摘している。ミンス党政権下の米国では、親中派が主流になるから覚悟しろってこった。
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