« 李大統領と公明党・山口代表が会談、参政権問題論議 | トップページ | 「PRINCE OF PERSIA;THE SANDS OF TIME」「JENNIFER`S BODY」 »

2010年11月24日 (水)

「Brothers」「Frozen River」

久しぶりに映画を観た。 どちらも主題は重い。見終わった後にずっと残る。時間が経つほど、物語の中に沈殿していくような感覚がある。

1本目は、戦争によって崩壊していく家庭の姿を描いた、“Brothers”。

Natalie PortmanとTobey Maguireは、幸せな夫婦だった。娘が二人(この娘役の子が明らかに親に似ていないのはご愛嬌)。

弟の出所と入れ替わりに、再び戦地へ戻る兄。そして、妻のもとに訃報が届く。

この場面でNatalieの役者魂を見た。玄関に立つ軍の上官の姿を見ただけで、それがなにを意味しているのか分かるのである。階段を下りていくその足取りと微妙な表情の変化で、見事に、夫を失ったという現実に直面した妻の苦悩を演じ切っていた。

有能な長男を失った父は、出所してきた、仕事もせずにだらだらと生きている弟に苛立ち、息子もそんな父に反発する。

だが、兄は死んでいなかった。そこから、この家族に本当の苦悩が訪れることになるのだった。

何故、彼は生きていられたか。戦地で何があったのか。

最後に妻は、彼からそのことを聞き、映画は終わる。

重い映画であった。これを観て、一番に何を思うか。戦争の悲惨さ。愛とは何か。信じるとは―。

自分は、これが単なる反戦映画ではないと思いたい。ムスリムのキチガイっぷりも、しっかり描いている。あれが無ければ、ただの赤い反戦映画になってしまっていただろう。

「レオン」で華々しく銀幕に現れた美少女は、もう、いい大人の女である。彼女の映画は、全て観たわけではないが、このような、苦悩を全身で表現しなければならない役は、初めて見た。

ただ、美人すぎるってのもあるかもしれないし、まだ家庭の垢に塗れていない為もあってか、母親臭さがあまり感じられなかった。Natalieは育ちが良すぎるのかもしれない。庶民臭さが出ないんだな。

もう一本。これも重い。

自分はこっちの方がより、深刻に心に迫ってきた。貧しさ、差別、不法移民。これからの日本に、無縁ではない話であろう。

舞台はニューヨーク州最北部、カナダとの国境に面する町である。

先住民保留地の女、ライラと知り合ったことから、密入国に手を貸すようになる二児の母、レイ。

真冬の寒さで凍ったセントローレンス川を、車で渡ってカナダに不法移民を届けるという危険な行動に駆り立てたものは何か。

“ギリギリの生活から抜け出したい”。人種も住む世界も異なる、二人の女を結びつけたのは、貧しさからの脱出だった。

密入国する者たちも、貧しさからの脱出の為に危険な賭けに出たのだし、それに手を貸したこの二人の女もまた、同じなのだ。

しかし、違うのはひとつある。不法移民に協力するということに対する、感覚である。白人のレイと、先住民のライラとでは、不法移民を見つめる眼が違っている。密入国というものに拘る、後ろめたさがライラには無いと思われる。

結局、ライラには先住民という強い意識があるはずで、先に住んでいた自分たちが保留地に追いやられているという鬱屈した感情が、密入国という犯罪に手を染めている後ろめたさを担保しているような気がするのだ。

それに対して白人のレイは、ただ犯行が見つかったときの危険に怯えているだけではなく、これは犯罪であるという明確な意識を持っている。

一見、同じような境遇によって友情が芽生えた感のある二人であるが、この心の距離は最後まで越えられなかったのではないだろうか。

« 李大統領と公明党・山口代表が会談、参政権問題論議 | トップページ | 「PRINCE OF PERSIA;THE SANDS OF TIME」「JENNIFER`S BODY」 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/181624/37798034

この記事へのトラックバック一覧です: 「Brothers」「Frozen River」:

« 李大統領と公明党・山口代表が会談、参政権問題論議 | トップページ | 「PRINCE OF PERSIA;THE SANDS OF TIME」「JENNIFER`S BODY」 »

2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最近のトラックバック

無料ブログはココログ