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2011年1月27日 (木)

日蓮線図

日蓮線図

著者:小和田 善幸
販売元:地湧社,1993
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読後感:△

【日本列島のほぼ中央南関東地方。東京を含むこの世界経済のひとつの中心に直径170キロの円で囲わなければ収まらない超巨大な絵とも字ともとれる地上線図が描かれた。描いたのは日蓮宗開祖の日蓮だと著者はいう…。 】

第1章 線図の発見

第2章 線図の完成

第3章 偶然の可能性

第4章 作意の証明

第5章 久遠の仏

すごい本だ。

何がすごいかと云うと、著者が地図に発見した偶然を、“何者かの作意によって描かれた地上線図である”と決めつけてしまい、本まで出しちゃったことである。

地上線図?、なんのこっちゃという話であろう。しかし、どうやら著者はマジである。

そもそもこの著者は何者か。1938年、神奈川県出身。機械技術者。

これだけしか明かされていないのである。本職の作家ではない。

その人物の、“ここには神仏のメッセージがある!”との思い込みを一冊の本にしてみせた出版社がすごい。

いったい何を発見したのか。

この人は日蓮ゆかりの地を線で結ぶと、3ヶ所がぴたりと並ぶ線が5本もできることを知ったのである。

この5本もの3点直線によって描かれた図を、『日蓮線図』と名づけたということ。

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なんでこんなことに気づいたのかというと、この著者の義姉夫婦が創価学会員であったことから、日蓮を祖とする宗派には日蓮宗以外に、日蓮正宗というのがあるということを知った。

それをきっかけに地図で身延山や日蓮正宗の大石寺の位置を確認していたところ、この線図を“発見”してしまったらしいのだ。

ゆかりの地3点が、直線で並ぶ。それも5本も。

そこからこの著者のすごい拡大解釈が始まるのである。

ここには明らかな作意がある! しかし、それは日蓮にも意図的に作ることまでは無理である!

つまりこれは“全人類に対する神仏の実在を示す、神仏からのメッセージ”に違いないのだ! と。

しかし読めば分かるが、肝心な場所は抜けているのである。

①誕生寺(安房の小湊・千葉)

②清澄寺(12才で弟子入りした寺・千葉)

③実相寺(静岡)

④松葉ヶ谷(鎌倉)

⑤日蓮崎(俎板法難・伊豆半島東岸)

⑥鏡忍寺(小松原の法難・千葉)

⑦竜口時(竜の口の法難・神奈川)

⑧久遠寺(身延山・山梨)

⑨本門寺(武蔵の国・東京)

⑩大石寺(静岡・弟子の日興が開祖。)

ざっとこの10ヵ所を結んだのがこの線図である。見ての通り、肝心な佐渡は入っていないのである。

これは如何なものかと。

著者の云うように、この日蓮の足跡によって描かれた線図に“神仏のメッセージ”があるとしたら、佐渡での蓮祖の体験には重要な意味がないってことになってしまわないかと。

それは由々しき事態ではないかと。

佐渡を入れると、3点直線が崩れるわけか。考えさせられるね(これに意味があるなら)。

ところで、著者はこの試みをするにあたって、漫画で日蓮の生涯を学んだそうだが、それには大石寺は載っていないのだそうだ。

にもかかわらず、この線図にはしっかり大石寺が入っている。

というのも、大石寺の一点を取り除くと線図が崩れるのである。

一点を消すとそこを通る線も消え、孤立する点もできるわけで、これを影響度で表すとこうなる。

影響度1位:誕生寺(消失線・2本、孤立点・3点)

影響度2位:大石寺(消失線・2本、孤立点・2点)

影響度3位:日蓮崎(消失線・2本、孤立点・1点)、竜口寺(消失線・2本、孤立点・1点)、本門寺(消失線・2本、孤立点・1点)

影響度4位:実相寺(消失線・1本、孤立点・1点)、鏡忍寺(消失線・1本、孤立点・1本)

影響度5位:清澄寺(消失線・1本、孤立点0点)、松葉ヶ谷(消失線・1本、孤立点・0点)、身延山(消失線・1本、孤立点・0点)

これの面白いところは、大石寺は身延山がなくても線図に存在できるが、大石寺がないと身延山は線図には存在できないということ。

そう考えると、なかなか興味深い着想ではある。

ところで、Tina Turnerは宗旨変えしたのか?

本尊が仏像になっちゃったのかよw

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