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2011年11月

2011年11月27日 (日)

阿片王

阿片王満州の夜と霧 佐野真一:新潮社 ,2005

 

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読後感:☆

 【満州には、「戦後」の核心が眠っている―。策謀渦巻く満州帝国で、最も危険な阿片密売を平然と仕切って巨額の資金を生み出した里見甫。その謎に満ちた生涯を克明に掘り起こし、麻薬と金に群がった軍人、政治家、女たちの欲望劇を活写する。今まで誰も解明できなかった王道楽土の最深部を抉り出した、著者の最高傑作。】

 満洲と聞くと亡き祖父を想う。満州から引き揚げてきたときの苦労や、関東軍は生意気な奴らばかりだったという話はよく聞いた。しかし、それ以上の事を聞いた記憶がない。自分でもそれ以上の興味をもたなかった気がする。

 もっといろいろ聞いておけばよかったと、これを読んで思った。

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 “日本の戦後の秘密、高度経済成長の根底にあったものは、失われた満洲を国内に取り戻すことにあった”というがの、佐野眞一の見解である。

 日本の高度経済成長のグランドデザインは、かつての満州国を下敷きにしてなされたような気がする。時の総理大臣として、高度経済成長に向け号砲を打ったのは、将来の総理大臣を嘱望される安倍晋三の祖父の岸信介である。その岸が産業部次長として満州に赴任し、満州開発五カ年計画を立て満州国の経済政策の背骨をつくって、後に「満洲国は私の作品」と述べたのはあまりも有名である。

  世界史的にも類をみない戦後の高度経済成長は、失われた満洲を日本国内に取り戻す壮大な実験ではなかったか。そんな思いが私をきつくとらえていた。戦後高度成長の象徴である夢の超特急も合理的な集合住宅もアジア初の水洗式便所も、すべて満州ですでに実験済みだった。(p9,序章 団子坂の怪人)

 

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では、満州という、世界史からわずか13年で消えたこの国家は、いったいなんだったのか?  本書を読んでも当然ながら全体像は見えない。佐野は他の著作でもそうだが、興味の対象はあくまでも“人”なんだな。だから、満洲とはなんだったのかということを語るうえで一番重要なのは、佐野にとっては“人物”を知ることだったのだろう。

 「満洲はいつかは書かねばならない宿題だった」という佐野は、なかでも最も強く惹かれたのは、“「満州の夜と霧」とでもいうべき深い闇に溶け込んで容易に姿を見せない甘粕正彦と、里見甫という二人の男だった。

 彼らの謎に満ちた存在自体が、私の「満洲」であり、戦前と戦中、戦後をつなぐためには欠くことのできないカギだった。(pp9~10,同)という。

         “阿片王”-里見甫(明治29年~昭和40年)1f58b297b0c2c3cf3074d0820b386a3b

 佐野の見た「満洲」の中心的人物は、この二人だったのだ。この二人を書くことが「満洲」を書くということなのであり、この二人を書くには、彼らと繋がりのある人を辿らなければならないということになってくる。

 そこまでは良い。だが、取材対象を広げていくことと、そこで得た情報を一冊の本としてどうまとめるかっていうこととは、違う態度というか力量を求められるんじゃないのかと思う。

 佐野は情報の集め方は凄いのだが、それの料理の仕方は下手だと思うな。なんというか、素材をそのまま味わえみたいな感じなんだなぁ。そうじゃないだろ、と今回も思わされた。読んでいて、これはどこにも収まらない、結論もない本になるじゃないかと。

 佐野眞一の取材に向かう態度を麻雀に例えると、「多面待ち」だという。上がり手を最初に決めないことで、どんな手でも上がれるようにしておくのだそうだ。本書で佐野は「上がった」と思っているのだろうか?。一読者の立場から云うと、上がった感じはないな。

 確かに、すでに鬼籍にあるうえに情報量の少ない人物を書いているわけで、その難しさはあったろう。だから本当なら、もっと薄い本になるはずなのだ。そうならないのは、この佐野眞一は、どうやら細部にこだわりたがる傾向があるからである。 取材対象が住んでいる土地だのなんだの、どうでもいいような記述でかなりの紙幅を使うのだ。

 これは好みがはっきり割れる作家だな、と思う。オレは、嫌いではないが。

 まず序章では、文京区団子坂付近の記述からはじまっている。ここで引きつけられる。そこへ行ってみたくなるのだ。そこには伊達宗嗣という偽名を使い、米軍横田基地で軍事機密を盗み出して御用になったこともある男がいる。この男こそが、亡き里見を最もよく知る、生き証人であろうと思われるのである。本書は彼への取材からはじまる。 結局、この男には煙に巻かれた感じであるのだが。

 さらに、後半になってくると里見と関わった女たちの正体を探るための取材まではじまっていき、里見の存在が蔭に消えてしまっている。謎の多い男の周りには、謎の多い女が群がっていたのだろう。しかし、その一人一人を浮かび上がらせることによって、阿片王・里見甫という男が掴めたか?、と云えば疑問ではある。

 佐野の特徴として、「磁場」だの「地下茎」だのという、表現がよく出る。この本で云うと、団子坂の伊達某といい、「男装の麗人」梅村淳といい、阿片王・里見甫に磁場を狂わされたということになるのだ。

 人間は、少なくとも人間の想念は、アヘンよりはるかにアヘンである。それは伊達だけに限らない。里見に群がった人間たちの周辺は、なぜかことごとく、想念の磁場に変調をきたしている。里見の最初の妻の相馬ウメは、周囲にまったく別人のはずの赤坂小梅と信じこませるにまかせた。里見のアヘン売買の片腕だった梅村淳の得たいの知れない変幻自在ぶりも、その“養母”の梅村うたの魑魅(すだま)さえ思わせる正体不明ぶりも、周囲の人間たちの想念を攪拌し、アヘンのように弄びつづけた。

 その磁場を中心でひきしぼり、ひとり人とこの世界の関係を見晴らして、絶対に全貌を見せなかったのが、里見という男だった。右手でやったことは左手に教えるな。里見の生涯はその一言に貫き通された。(pp426~427,終章 石つぶて)

 里見甫というある種の怪物と、それを取り巻く者たち。魑魅魍魎のようなその人間群に、「満洲」の妖しい姿を垣間見ることはできた。戦後、なに喰わぬ顔で権力機構におさまり平気で表を歩く連中も居れば、里見のように完全に闇に消える者も居る。

 不思議にも、闇に消えて身を潜ませていた里見の放つ存在感は、その闇の深さ故というべきか、圧倒的だ。戦後、平気で表舞台に返り咲いた連中は、実に小物に見えてくる。

 欲を云えば、満州で上海で、麻薬を売り捌いて軍費を捻出していたこの男は、これだけ見れば悪党以外の何者でもないと思えるのだが、東京裁判に出廷するも保釈された里見甫について、連合軍側はどの程度のことを掴んでいたのかも取材して欲しかった。そうすれば、里見の人物像だけでなく、里見の“仕事”をより詳しく知ることもできたろうし、“満洲”を書く事もできたのではないだろうか。

 満洲という素材は、的を絞って一冊一冊丁寧に書いていかねば全貌は掴めないのだろう。満洲への入口としては、本書は「買い」だと思う。

 佐野が掴んだ“昭和通商”という、謎の会社の存在も興味をそそるではないか。

 それにつけても許し難いのは、里見が晩年自ら語った満洲や上海での体験を記録した、口述筆記帳を親族のもとから持ち出して紛失させたらしい、団子坂の男である。

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 ところで、佐野眞一が日本記者クラブでの講演で、池田名誉会長についてちょっと語っている。

 「二代目の片腕として金貸しやってたころが圧倒的に面白い」と云っている。そして、日本がおかしくなっていった流れの源の部分に、日蓮を見ているようだ。

 まぁ、厳密に云えば日蓮主義のことだろうが。

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 佐野が知っている池田大作を書いて欲しい気もあるが、本人に取材できないならやらないだろうな。取り巻きの人間からは、組織の公式見解以外のものは引き出せないだろうし、それなら書くのが無駄だろうから。尤も、本人にしてもどこまで語るかは疑問ではあるが。

2011年11月24日 (木)

今年は100万遍いける・・・・・・か

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 今年で5年目の挑戦なのだが、きびしいか。調子のいいときだと4時間唱題するんだけど。

 っても、まぁ、別段何を祈ってるわけでもないんでこだわる必要もないけどね。

 ただ、4年続くとなんつうか、途中で途切れるのが勿体ない気になっちまうわけで。

 毎年毎年、一年先の保障もない暮らししてるくせに、焦りってものがないのよねオレ。いいのか?、これで。

 いいわけない。

 neo-neetになりてぇ、マジで。

 いやいや、分かってねえだろオレ。

2011年11月15日 (火)

マルハン会長 在日おばさん10万円寄付に騒ぐ日本に再生なし

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/14/2011111400401.html

Chosun Online | 朝鮮日報

果たしてTPP加盟が吉と出るか凶と出るか。

凶と出たら日本人もひと事ではなくなるかもしれない。

2011年11月12日 (土)

雪国

雪国 (新潮文庫 (か-1-1)) 雪国 (新潮文庫 (か-1-1))

著者:川端 康成
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

読後感:☆☆

 【頑なに無為徒食に生きて来た主人公島村は、半年ぶりに雪深い温泉町を訪ね、芸者になった駒子と再会し、「悲しいほど美しい声」の葉子と出会う。人の世の哀しさと美しさを描いて日本近代小説屈指の名作に数えられる、川端康成の代表作。】

 「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」

 この冒頭部分しか知らなかった名作。小谷野敦はこれのどこが名作なんだ?、と云ってたな。

 けど、オレの心は充分満たしてくれたな。何よりも、この小説の舞台になった越後湯沢温泉へ行ってみたくなった。勿論、上越線で。 

 国境の長い隧道を抜けて景色が一変するってところを見てみたいと思った。

 言葉のやりとりがなんとも美しいね。「みずうみ」は全体に淫靡な匂いがしすぎて気持ち悪かったけど、これはそういうのとは違う、良い余韻があった。

 駒子と島村はその後どうなったのだろうか。

 

“踏みこたえて目を上げた途端、さあと音を立てて天の河が島村のなかへ流れ落ちるようであった。”(p148)

 無為徒食の男と芸者の女。ひとときの逢瀬か。

 なんとしても越後湯沢で再読したい本である。

2011年11月11日 (金)

日本にやけど少年治療を要請 

http://sankei.jp.msn.com/world/news/111110/erp11111018300003-n1.htm

日本にやけど少年治療要請 ロシア極東サハリン州 - MSN産経ニュース

助けてやれよロシア無頼、無駄に領土広げやがって。

まともな医療を僻地にも施してやんなさい。無駄に領土広げてないでw

http://toki.2ch.net/test/read.cgi/dqnplus/1320934599/

日本にやけど少年治療要請 ロシア極東サハリン州

関係ないから~♪

関係ないから~♪

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