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2014年3月15日 (土)

アメリカ人は、なぜ明るいか?

アメリカ人は、なぜ明るいか? (宝島社新書) [新書] 原 隆之:著(1999)

読後感:☆
 【「アメリカでは、貧乏人と喧嘩をしてはいけない」「アメリカ企業の首の切り方」から「アメリカの住宅事情」「アメリカ人の懐具合」や「なぜアメリカ人の老後は明るいのか」まで、みなんが知りたかったアメリカがここにある!カリフォルニアはまだゴールドラッシュ、公用語は英語ではない、アメリカ人は貯金をしない…アメリカの豊かさとパワーの秘密。】 

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 世界を主導できるだけの先見性、論理性、leadership、と、日本に足りないものがアメリカにはある。

 競馬で云うと、逃げて勝つ馬は強い。風の抵抗を一身に受けて、自らpaceを作る。馬群に飲まれて前に出られない心配はない反面、脚を溜めて追走してきた他馬に差される可能性は強い。

 アメリカはハナを主張するぶっちぎりの逃げ馬ってところか。日本は番手追走、世界を主導するなんて難しい大任は避けながら、経済活動に専念しているのが向いているだろうと思う。

 これを読んでいて、加藤諦三の本に書いてあった、アメリカの低所得層の精神的安定感という話しを思い出した。最強国家アメリカの市民であることの誇りが心理的安定感となっているのだろうと感じたが、本書にも、あるBusinessmanの語る言葉の端々に、それを感じた。

 「日本は戦争に負けて退却することを転進といったり、解雇を転籍といったり、変な民族だね。大事なことは本質を動かしていくことだが、日本の文化が本質をストレートにいうことを歓迎しないのだろうね。この分では、あと十年は日本はアメリカに追いつけないよ。今のアメリカの経済状況が、日本の十年前のバブルに似ているだって?冗談じゃない。日本のバブルは、アメリカの七十年前の大恐慌直前の活況に似てるのさ。アメリカは、それほど先に行っているということだ。

 八〇年代に、レーガノミクスのせいでアメリカ経済が少しおかしくなったのは、冷戦末期の当時、世界の途上国を自由陣営につけようとムリにアメリカの市場を開放したためさ。当時のアメリカにとっては、明日の経済より五十年単位の国家戦略の方が重要だったんだ。日本はそのとき、アメリカに経済戦争で勝ったと騒いでいたが、アメリカはそんなちゃちなものはどうでもよくて、もっと大きなものと戦っていた。細川首相がアメリカに対して『大人の関係』といったのには笑ったね。居候息子が、少し金ができたからと、オヤジに『大人の関係』といっているようなもんだ。ま、ソビエトもなくなったし、アメリカはこの先自由世界のために大きな犠牲を払う必要がないから、当分日本はアメリカに勝てないね。」(pp97~98 第二章 ビジネスマンとサラリーマンの間)

 やはり、ハナを主張するのは難儀である。日本人は向かない。面倒な問題はのらりくらりとやり過ごすのが利口であろう。 つかみどころのない日本の外交手腕も、こう評価している向きもあるようだ。

 日本は国際社会に対して責任を果たさず犠牲も払っていない、まだ子どもの国だが、金と屁理屈でここいらへんををうまく逃げ回る日本は、ガキでもなかなか侮れない「ませたガキの国」だというのだ。pp212 第四章 アメリカという国のかたち)

 へたに矢面に立つより、おいしい立ち位置ではある。

 特におもしろかったのは、第二章ですか。情報が90年代のものであるため、今のAmericanはもうちっと、しんどいことになってそうだが、自殺率等の数字で見れば、やっぱり相対的に日本人より楽観的なのだろう。

 第三章のアメリカ人の財布の中身も、おもしろいんだけど、日本のサラリーマンは働くのがアホらしくなっちゃうんじゃないかね。

 最後に著者の警鐘というんですかね、

急激な社会構造の変化に伴い、あまり宗教的なよりどころをもたない日本人の精神的弱さが露呈されるようになるだろうと思う。(pp219~220)と云われていますね。

 まぁ、八百万の神さんよろしく、宗教団体がわんかさございますけど、どこを見ても日本を変革しうる可能性を感じる組織はないですね。日本人と官僚主義の親和性は凄い、てか、骨の髄まで官僚主義が染み込んでる感じですな。これに満たされない人たちの救いになるどころか、日本社会に染み付いたものを組織に持ち込んで、結局できたのは上意下達の官僚主義組織という始末。

 そんなこんなで、反発も与えやすい立場ではあるAmericaですが、それも先頭を行く国の宿命と達観している感じもありますね。globalization=americanizationとも揶揄されるわけだけれども、Americaに憧れがあっての反発でもあるわけで。移民が引きも切らずにやってくる現実がそれを示していると云えるので、世界がAmerica化する流れは変わらんでしょう。

 あと、日本企業がAmericaの訴訟被害を受けて酷いことになってるという話しをよく聞くけれども、当のAmericanも訴訟大国化の被害者ではある様子が第一章に記されていて、この流れは日本に来て欲しくないな~、と思いましたね。

 

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