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2015年3月 7日 (土)

夢、オグリキャップ

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夢、オグリキャップ  山本 徹美:著 日本経済新聞社(1992)

【日本の競馬史を彩った名馬は数知れないが、オグリキャップほど日本人の心に溶け込んだ馬はなかった。騎手、調教師、馬主、生産者…。一頭の名馬の足跡を軸に、彼らの悲喜こもごもの人間模様を描くノンフィクション。】 

 

オグリキャップ。武豊。そして、競馬。

 思えばオレの意識の中に競馬が入り込みはじめたのが、このオグリキャップの時代からだった。 でも、あの頃はまだ競馬なんていかがわしいもの、という感覚しかもってなかったし、そもそも、馬が何故そんなに世間を騒がすのか理解できなかった。 ましてや武豊人気なんてまるで理解できない。

 「がんばってるのは馬だろ? 走ってるは馬だろ!」「騎手なんてただの荷物だろ」

 これくらいの感覚でしかなかった。 この後もトーカイテイオーというStar Horseが現れ、また、ナリタブライアンが現れたのだった。

 その都度気になりながらも、やはり競馬に注目することはなかった。馬に鞭打って一攫千金狙って、ただの虐待じゃないかと。

 それがいまとなっては、もう。もはや自分の人生に競馬のない生活は考えられない。

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 競馬は馬たちのdramaであり、人間たちのdramaであり、血統のdramaであると思う。

 公営の笠松競馬から始まるオグリキャップのdramaは、中央でdébutしたélite馬たちと対等に渡り合いそして負かしていく彼の姿に、自分を重ね合わせたであろう人々のdramaでもあっただろう。

 競馬やっていると誰もが一頭は特別な馬を持つようになるはずだが、オグリキャップのように、またはそれ以前のハイセイコーのように、地方競馬から上がってきた「叩き上げ」の馬には特に人を熱くするチカラがあるのだ。

 オグリキャップの人気によって、それまで競馬に縁遠かった女性たちも競馬場に現れるようになった。これには、二人目の馬主となった佐橋氏のgoods戦略も利いたようだが、オグリキャップのぬいぐるみ持って応援という微笑ましい光景もよく見られるようになった。

 オグリキャップのlast runとなった有馬記念。単勝4番人気が示すように、終わったと思われていた彼の劇的な勝利に震える競馬fanの中にあって、女性fanが云った言葉にグッときた。 “もう、そんなにがんばらなくっていいよ”

 読んで良かった。raceしているときの馬たちしか見ていないと見えてはこない濃密なdramaがある。痛めた肢を癒すために福島で温泉療養するオグリキャップの様子なんて、見てみたかったな。目を細めて気持ちよさそうに温泉に浸かって、いつも他の馬を待たせていたとか。 

 どんなに酷使されても食欲がなくならない、大食いオグリキャップ。

 
 

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 馬たちの物語を読んでいて気づいた。オレが競馬を直視できなかった理由は馬が可哀想に思ったなんていう、動物愛護精神なんかじゃないと。

 生まれた時から生きる道を決められている馬たちが、必死にならざるを得ない馬たちが、死力を尽くして走らざるを得ない馬たちが、その宿命のままに、まさに死力を尽くして走っている姿を直視できなかったのかもしれない。

 

 そしていまだ死力を尽くして生きたことなどない自分がいる。

 

 オグリキャップ 生涯獲得賞金912,512,000円 

 2010年7月3日没。 骨折による予後不良の為、薬殺。

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