The Day Of The Jackal
かの有名な、ジャッカルの日をいまさら読んだ。
著者はフレデリック・フォーサイス。
星: ☆ ☆
かのフランス大統領、シャルル・ドゴール暗殺を目論み、しかし幾たびもの暗殺計画に失敗した愛国者たちが、最後の切り札として切ったカードこそが、コードネーム「ジャッカル」であった。
このイギリス人の狙撃手は、その辺のゴロツキどもが頼みとするような安い仕事はしない。マフィアのボス等を狙うような仕事ではないのである。国家元首級の暗殺をやってのける凄腕の狙撃手である。
ゴルゴかよ!って思うくらいのもんだ。用心深いところも近いものがある。
さて、何故にこの愛国者たちはドゴールを暗殺せねばならなかったのか?
まずは、この暗殺をジャッカルに依頼した、マルク・ロダンという男が何者かだが、彼はOAS(秘密軍事組織)の作戦主任である。そしてOASとは、ひと言でいうなら極右である。国益を損なう輩は死すべきであると考えるわけだ。
当然、左翼など根絶やしにすべきと考えるわけだ。まったく同感である(笑)
そもそも連中にとって、ドゴールはフランスそのものであったのだ。
『一九五八年六月、ドゴール将軍は、首相として権力の座に返り咲いた。将軍は、腐敗し崩壊の危機に瀕した第四共和制を廃して、第五共和制を敷いた。“フランスのアルジェリア”という彼の発言が国民一般の声となって反響し、それが彼をマティニョン(首相官邸)へ連れもどし、ついで一九五九年一月、彼はついにエリゼ宮の主となった。そのときロダンは感激のあまり、自室に飛び込んで、うれし泣きした。アルジェリアを訪れたドゴールの姿は、ロダンの目にはさながら、オリンポスからご降臨になったゼウスのように映った。新しい政策が施行されるものと、ロダンは信じた。共産主義者どもは追放され、ジャン=ポール・サルトルは反逆罪に問われて銃殺され、労働組合は屈服し、アルジェリアにいる同胞とフランスの文明のフロンティアを守る軍に対する祖国の暖かい支援の手が、いまにも差しのべられるだろう、と。』P29,第一章 陰謀の解剖学
しかし、ドゴールは彼らの信じたような男ではなくなっていった。
彼の祖国復興策に、アルジェリアは含まれていなかった。
もはや、彼にとってドゴールは憎悪の対象でしかなくなっていった。
はたして、ドゴール暗殺はなるのか。
偽造旅券と変装の業を駆使して、着々とその時に迫るジャッカルと、それを迎え撃つ、こちらもやりての警視、ルベル。軍配はどっちに上がるのか!というスリリングな一冊。
上等な読み物であった。
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